DATE: 2008年07月29日 00:37

ボディーアーマー

ボディーアーマー


フランスから櫻井です。現在好評発売中のGUNNER09に収録されているCPEのボディーアーマーについて少し補足を。映像では限られた時間の中での収録のため細かい説明ができていません。また説明してもDVDの中では少し退屈になるでしょうからね。
このTAC TOPと名付けられたボディーアーマーはノルウェーの特殊部隊だった経験から生まれたモノで北欧ならではのアイスホッケーのプロテクションを元に作られています。
写真のようにトレーニング用の防具はごついように見えますが非常にフレキシブルで軽量。これを元に暴動鎮圧用のプロテクションを制作しイギリス警察が採用。
ボディーアーマー


さて本題のボディアーマーです。ボディーアーマー装着時で被弾し死傷する確率の高い場所。それは肩から体内に入り込んだ弾丸によるもの。つまり横からの攻撃だ。
TAC TOPにはダイニーマによるプレートをできる限り全体に配置すること。また、肩のプレートは射撃スタイルを取ってもしっかりとボディアーマー本体の腕を通す穴はカバーされて側面からの攻撃にも強い。そして、ダイニーマ製による軽量のプレートをある方法で(特許出願中で口外無用とされているのであしからず)体の曲線に合うようにしてある。
ボディーアーマー


従来のボディーアーマーを装着してジャンプすると体からずれてしまう。つまり密着していないため移動時にボディーアーマーを片手で押さえなければいけない。これでは銃を構えるどころではなくなってしまう。TAC TOPはしっかりと体に密着しているのでしっかり両手を使える。
十分な強度をもちそれでいて軽い。というより従来の重量でカバーの範囲が倍以上に広がっているのだ。また現在の紛争地は中東、アフリカなど気温の高いところが多い。このボディーアーマーの裏地には特殊な生地が使われており外気から-2〜4度ほど下げる素材を使用しているのとちょうどホカロンの反対の役割をする冷却材も使用できるのだ。
また背面のハンドルは肩の後ろ2カ所にも受けられた。従来は首の後ろにあったが被弾した兵をここを引っぱって引きずると首が絞まるため、負傷した本人が首が閉まらないように両手で相当の力を使ってそれを阻止しなければいけなかった。また、全装備を含めると体重と合わせ100kgを超えることも少なくない。それを二つのハンドルにより二人で引っ張り上げることが可能だ。イラクではハンビーが動かなくなったあとはゆっくり負傷兵を引っ張り出している暇など無く引っぱって放り投げるのが生死を分けることになるという。二人ならばそれが可能で生存率を上げることにもなる。そして、ボディーアーマーを装着していて負傷をしている時に治療をするためそれを脱がす必要がある。通用緊急の場合はある特定の場所が切れやすくなっていてそこを専用ナイフで切って脱がせたりする。このTAC TOPは前のパネル部分がかんたんに剥がせる。剥いだあとも体に残った部分がしっかりと固定されているので先ほどのハンドルを使って緊急措置を執ったあと、後退させることも容易なわけだ。
現時点で考え抜かれたTAC TOP。取材時にはアメリカ軍次期ボディーアーマーのトライアル中で最終選考まで残ったという話だったがそのあとどうなったかはニュースがない。これだけのシステムを持っていても価格の問題があるので簡単にはいかないだろう。ちなみに1着50万円だそうだ。





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